2015/04/29

不登校、「受験もゲームだ」と東大を目指す。 その1


現実逃避のゲーム漬け、昼夜逆転の毎日。

「こんな生活もう嫌だ、ひきこもりから脱出したい」

20歳の春にして、そんな心の叫びが強くなってきました。

その背景には、サポートしてくれていた大学生との関わりを通して「もう一度社会に出たい、大学に入りたい」という意欲が出てきたことも影響したと考えられます。(大学生との関わりについてはコチラを参照)

しかし、なかなか勉強を再開することが出来ませんでした。

勉強をすることは疲れるし、どこから手を付けたらいいか分らないし、問題が解けないと自信を無くしてしまいそうで、机に向かうことがとてもストレスフルだったのです。

自分の心は思い通りに動きませんでした。ゲームのキャラクターは思い通りに操作できるのに。


そんな時、閃きました。自分をゲームのキャラだと思って操作してみたらどうかと。

立ち直りたくて、でもなかなか踏み出せないひきこもりの少年が一年で東大に受かる大逆転の受験生育成シミュレーションゲーム。そんなゲームをプレイするように、自分をシミュレートできたら、気楽にかつ面白く勉強を始められそうだと思い至ったのです。

それが成功するかしないかはさておきですが、とりあえずはじめの一歩を踏み出したかったのです。

参考にしたのは、当時、相当やりこんでいた実況パワフルプロ野球、所謂、パワプロでした。

パワプロの「サクセス」というモードは、ダメダメな高校野球部員を3年間でプロ入りさせる育成シミュレーションです。様々なトレーニングを通して経験値を増やし、ミート力、パワー、走力、肩力、守備力を上げていきます。

僕は、高校球児の初期能力に合わせて、どんな選手に仕上げたいかを予め決めてから育成を始めていました。選手の完成型からさかのぼり、必要なトレーニングを考えて、思い通りの選手を作り上げるのが好きでした。メモを取りながらゲームをして自分で攻略本を作成するほど好きでした。

ゲームのキャラのように自分をシミュレーション

パワプロの「サクセス」で遊ぶように、受験も自分をシミュレートするゲームと捉えられたら、気楽に取り組めるのではと本気で考えたのでした。

ダメダメなひきこもりが1年間で東大合格を目指す受験シミュレーション。勉強を通して知識を増やし、テストの点数を上げていく。主人公は、突出した能力を持たない平凡型の初期能力で、オマケに「弱気」「サボリぐせ」付き。

ひきこもりを脱出したいという気持ちだけは強い少年を如何に一年間で合格に近づけるか、ハードモードだがやり甲斐はありそうだとワクワクしてきました。

このように、ひょんな思い付きからひきこもりの挑戦が始まったのでした。

はじめの一歩をいかに楽に踏み出すか

不登校やひきこもりにとって、受験は立ち直る手段の一つです。

しかし、受験はとてもストレスフルですので、僕は億劫に感じて、なかなか一歩を踏み出すことが出来ませんでした。

しかし、この状況をひとつのゲームとして客観的に捉えてみると、ひきこもりが受験をするという逆境は、大変だがやりがいもありそうだと、ワクワク感が生まれて、一歩を踏み出すことが出来ました。

不登校、ひきこもりの立ち直りに際して、その一歩目は「重く、苦しい」ものです。はじめの一歩をいかに「気軽に、気楽に」踏み出せるか、踏み出してあげられるかが、不登校・ひきこもりの支援の鍵だと考えています。

ひきこもりの東大受験シミュレーションゲームは次回に続きます。

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