2017/10/02

もうひとつの「君の名は。」-What's your name?-【もとひきこもりの研修医日記】

先日はくだらない記事を書きました。

君の名は。 your name.

最近、病棟患者さんとの関わりで、もうひとつの「君の名は。」を体験しました。

・・・
40才前のアメリカ人女性。都内の某駅で奇声をあげているところを保護されて、しろくまの病院にやって来た。薄汚れた白のワンピースに安っぽいビーチサンダル、髪は長くぼさぼさ。化粧気のない茫洋とした表情の中国系アメリカ人。英語での問いかけにも応じない、所謂、亜昏迷状態であったため、このまま退院させるわけにはいかないと判断され、入院になった。

パスポートから2週間前に観光目的に来日したことはわかった。アメリカ大使館に相談して、カリフォルニアに兄がいることを突き止めたが、兄に電話をすると、「妹は若くして統合失調症を発病して、妹とは縁を切っている、日本に迎えには行くつもりはない」と電話を切られてしまった。仕方なく患者さんの病状の回復を待って、自力で帰国してもらう方針となった。

患者さんは一日のほとんどを寝て過ごし、回診に伺ってもYesかNoで気だるそうに答えるのみだった。慣れない英語での診療では患者医師の信頼関係を築くのは難しかった。そのようななかでも、薬物治療が奏効してきたのか、徐々に活動力が増し、病棟内を歩くようになり、I wanna go home.と希望を伝えてくるようになった。

飛行機に単独で乗車可能な程度に状態に改善したと判断された。そこで、航空券を手配して、担当医であるしろくまが成田空港まで見送ることとなった。
・・・

長くなりましたので次回に続きます。

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