毎年、春になると「今年こそは」と奮起して受験勉強をスタートしていました。
「やるからには完璧にしよう」とやる気満々でスタートを切るまでは良いのですが、気持ちだけが空回りをして、計画は無謀なことが多く、夏が来る頃にはヘトヘトになっていました。
それでも休み休み何とか夏を乗り切るのですが、秋に入り気温が涼しくなってくると、受験シーズンの到来を感じて、
勉強をすると、
「勉強しなきゃいけないけど、勉強したくない」「勉強できない自分を見たくない」「勉強しても手遅れ」「どうせ受からない」というような考えが浮かび、自己嫌悪、焦燥、不安が渦巻きました。
凄まじい葛藤が続いて苦しくなると、それに耐えられなくなり、それから逃れようと自分の部屋に閉じこもり、ゲームに没頭するようになりました。
ゲームの世界は完璧に支配できました。思い通りにいかないことはありませんでした。失敗したらリセットできました。現実で思い通りにいかない鬱憤をゲームの世界で代償していたのでした。
ゲームに集中している限り、受験のことが思い浮ぶことはありませんでした。
しかし、集中力が途切れると、「自分は何をやっているのだ」と自責の念や焦燥感が湧いてきました。
それでも、ゲームを続けるしか仕方のない自分は脇に冷や汗をかきながら、コントローラを握り続けていました。現実に関する思考を限りなく排除するために、究極に眠くなるまでゲームをやり続けて、そのまま布団に飛び込んでいました。
寝ている間は夢を楽しんでいました。小学校時代の友人たちと遊ぶ夢をよく見ていました。朝起きたら涙を流していることもありました。
当時の自分は完璧主義の傾向が強く、完全を目指そうと無理な挑戦をして、思い通りにいかないと葛藤を生じ、苦しくなるとゲームに逃げて挫折するということを繰り返していました。
物事を気楽に捉える余裕も、ストレスと向き合う方法も持ち合わせていませんでした。
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